「レポート」では、(さまざまな程度で制限はありますが)自分で課題を設定し、その課題をクリアします。評価には、間違い/誤りなしでクリアすることだけではなく、設定した課題のハードルの高さも含まれます。この点で、フィギュアスケート競技や体操競技に似ています。これらの競技では、ノーミスで演技を終えたとしても、難易度の低い要素のみが設定されていては、高得点をとることは出来ません。このことを念頭に置いて以下の説明を読んで下さい。
教員が試験ではなくレポートを課す場合、学生の文章を通じて、(1) 問題意識・(2)公正さ・(3)知識と理解力・(4)論理構成/情報収集/表現の能力を測ることが主要な目的です。
「(1)問題意識」は、環境問題を例にとると「どれくらい環境問題に興味関心を持っているか」「環境破壊にどれくらいの危機感を持っているか」「生物多様性を守りたいと切実に感じているか」のようなことを指しているわけではありません。
を自ら行う能力あるいは態度のことを指します。→主題の設定
(2)も、「正義感溢れる内容か」「主張が道徳的か」では決してなく、表現者・著作者としての誠実さを指します。主に、次の2点です。
引用・参照のルールを守る(→レポートの書き方:引用文献)ことは、上の2つ両方にとって大事です。
(3)(4)は書いたとおりの意味ですが、レポートではどちらも自らが内容を創造することなしには表現できない(従って、評価も受けられない)ということに留意して下さい。→ダメなレポートの例・論理的なレポート
2013年以降に私が課すレポートでは、「印刷された文章を文字起こしする」という不毛な作業を避けるために、ネットで参照できるもの以外は出典としての使用を認めていません(本来は推奨されないやり方です)。