レポートの書き方: 主題の設定
書きかけです

主題(テーマ)の設定を自由にできる場合、設定そのものも採点の対象になります。主題の設定によって、次の2点が左右されます。

主題が明確かつ具体的な疑問として設定されていれば、レポートの結論=疑問への解答を目指してレポートが組み立てられていきます。データは、疑問への解答を与えるかどうかによって取捨選択され、結論は、疑問への解答となります。

「疑問が明確である」とは、どのような解答が求められるかが明確である、という意味です。端的な例としては、次の2つです。

疑問のタイプ 解答例
~であるか否か はい/いいえ/どちらともいえない
~は(1)・(2)・(3)のうちのどれか ~は(1)である/(2)の可能性が高い/不明である
「~について、調べた(調べることにした)」は典型的なダメ主題
タイトル: △□について
・・・△□について興味を持ったので、調べることにした。

これは、最も評価が低いパターンです。書く側から見ると自由度が高くて書きやすいように見え、実際、△□に関係したことなら何でも入れることができます。だから、評価する側にとっては、単に「ハードルを下げてから飛び越える」に過ぎません。

以前は、こういうレポートも、実質的な内容が多ければ「努力の成果」と見なされていました。現在でも好意的に評価する教員がいるかも知れません。しかし、ネット検索が可能な現在では、△□をキーワードにしてネット検索を行い、まとまった記述があるページを得ることは非常に容易です。むしろ、大量の情報から、

を基準としてデータの取捨選択をする努力と能力が大事になっています。何を書いてもいいような主題を選ぶことは、その点について評価を拒んでいるのと同じことです。

※♪とは何か
も同じ理由で、ネット検索が使える時代では、ほとんどの場合評価に値しないテーマとなってしまいました。例外として、人や立場によって「※♪」が違うものを指すような場合には意味のある問題となり得ます。

壮大な主題はほとんどが失敗

生物多様性が脅かされている原因は何か
というようなスケールの大きい主題は、実際にはおびただしい数の問題の集合体です。まじめにデータを集めれば、本来は収拾がつかない状態になります。本一冊になりそうな大論文なら別ですが、レポートでは、このような壮大な主題は、次のような結果に終わることがほとんどです。


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