主題(テーマ)の設定を自由にできる場合、設定そのものも採点の対象になります。主題の設定によって、次の2点が左右されます。
主題が明確かつ具体的な疑問として設定されていれば、レポートの結論=疑問への解答を目指してレポートが組み立てられていきます。データは、疑問への解答を与えるかどうかによって取捨選択され、結論は、疑問への解答となります。
「疑問が明確である」とは、どのような解答が求められるかが明確である、という意味です。端的な例としては、次の2つです。
疑問のタイプ | 解答例 |
---|---|
~であるか否か | はい/いいえ/どちらともいえない |
~は(1)・(2)・(3)のうちのどれか | ~は(1)である/(2)の可能性が高い/不明である |
これは、最も評価が低いパターンです。書く側から見ると自由度が高くて書きやすいように見え、実際、△□に関係したことなら何でも入れることができます。だから、評価する側にとっては、単に「ハードルを下げてから飛び越える」に過ぎません。
以前は、こういうレポートも、実質的な内容が多ければ「努力の成果」と見なされていました。現在でも好意的に評価する教員がいるかも知れません。しかし、ネット検索が可能な現在では、△□をキーワードにしてネット検索を行い、まとまった記述があるページを得ることは非常に容易です。むしろ、大量の情報から、
を基準としてデータの取捨選択をする努力と能力が大事になっています。何を書いてもいいような主題を選ぶことは、その点について評価を拒んでいるのと同じことです。