レポートの書き方: 文章の表現
段落に分ける
-
たくさんの文をずっと続けて書くのではなく、複数の段落(パラグラフ)に分ける。
-
それぞれの段落は、1つの話題を持つようにする。
-
初心者は、段落ごとに小見出しをつけるようにする。うまく小見出しがつけられない場合は、段落の分け方がよくないとことが多い。
箇条書きを積極的に使う
-
たくさんのことを並列するときには、箇条書きを使う。ただし、いきなり箇条書きを入れるのではなく、ちゃんと前置きを書く。
「ここで、問題点として取り上げたいのは、次の5つである。」
-
箇条書きを使うべきかどうか迷う場合もあるが、初心者は使える場合は積極的に使う方が得策。また、箇条書きは、不自然にならない限りは、項目ごとに改行する。
簡潔・客観的・具体的な文章になるよう心がける
-
図3を見ると、×××であることが分かる → 図3は、×××であることを示す → ×××である(図3)
-
「値は大きかった」→「値は○○よりも大きかった」
-
事実の記述(方法・結果の大部分など)は過去形で言い切る(~した、~だった、など)。事実に基づいた推論(考察の一部など)は、確信の度合いによって「~と推定される(考えられる・思われる)」「~と示唆される」「~かも知れない(の可能性もある)」のように使い分ける。
しばしば見られる、レポートでは止めた方が良い表現
しばしば悪用される表現
-
「~と言える」: 根拠の弱い推論とも断定とも取れる。根拠の弱い推論を断定っぽく見せかけるためにしばしば使われる。
-
「可能性がある」: 「確率が0%ではない」とも「考慮すべき蓋然性がある」とも取れる。詭弁を弄する人が愛用する表現。
エラそうな表現
-
「よって」→「従って」
議会の議長・裁判長などの「自称エラい人」が使う言葉です。
-
「関係性」
「関係性」の意味、特に「関係」と「関係性」の違いは私もしっかりと把握していないのですが、単に「関係」、あるいは「関係の有無」に書き換える。
なぜか多い
-
「これより」を「このことから(根拠)」の意味で使う: 数学の証明のなごりだろうか。「これよりも(比較)」「ここから(起点)」などと紛らわしいし、大仰すぎる。
-
単に「~だった」と言えばいいところを「~になった」と書く: 「長さは25.4(±3.6)mmになった」→「長さは25.4(±3.6)mmだった」または「長さは17.8(±3.2)cmから増加して25.4(±3.6)mmになった」
-
コンビニで「おつりは××円になります」と言う/言われるのに慣れたせい?
-
「確認する/した」が濫用される傾向にある。
「確認した」は「既に知られていたことを再度確かめた」「予想/予期/期待されていたことが予想/予期/期待通りだったことを確かめた」ときに使う。
それ以外は、「見た/見られた」「発見した」「観察した」「記録した」等、適切な言葉を選んで使う。
-
要らない文頭の「この」:「遠賀川は、筑豊地方を南から北に流れて響灘に注ぐ一級河川である。この遠賀川の中流には」→「遠賀川の中流には」あるいは「この川の中流には」。なべて、「つなぎの言葉」が過剰に使われる傾向がある。
目次へ戻る