数量的なデータあるいは数量的な関係を図形で表現した図を「グラフ」と総称しています。レポート・論文におけるグラフは、図に含まれます。
データを表現する主なグラフとしては、次のようなものがあります。
授業名 | 基礎生物 学実験I | 植物形態学 | |
---|---|---|---|
生物/生命 以外 | 生物/生命 | ||
A | 90 | 94.9 | |
B | 78 | 94.9 | |
C | 88 | 92.1 | |
D | 75 | 92.1 | |
E | 90 | 90.7 | |
F | 75 | 90 | |
G | 85 | 88.9 | |
H | 80 | 86.7 | |
I | 70 | 79.1 | |
J | 80 | 77.7 | |
K | 68 | 76.8 | |
L | 90 | 91.4 | |
M | 65 | 87.9 | |
N | 70 | 82.5 | |
O | 75 | 75.1 | |
P | 65 | 74.1 | |
Q | 65 | 73.1 | |
R | 68 | 71.9 | |
S | 78 | 70.4 | |
T | 75 | 70.4 | |
U | 65 | 67 | |
V | 65 | 65.6 | |
W | 65 | 65.5 | |
X | 75 | 64.9 | |
Y | 70 | 60 |
多数のサンプルについて複数の計測項目(例えば、葉の長さ・幅・厚さ)を取ったときに、項目間の値の関係や値のばらつきを表現する
上のグラフは、右側に示すデータに基づいている。表計算ソフトにおいては、2列目2行目のセル("基礎生物学実験Ⅰ"の下の空白セル)から右下隅のセルを選択してからグラフを挿入することで描くことができる。
左は、同じデータによる散布図だ。
レポート・論文のグラフでは白黒またはグレースケールで印刷されたときも必要な情報が明確に伝わることが望ましい。このグラフは、この点で望ましくない点だらけだ。(1) 複写時にコストが掛かるだけでなく再現性が低い、(2) 照明の条件や体調によっては見づらい、(3) 条件や体調が良好であっても、色覚(色の見かけ上の明るさや判別能力)には個人差があるため、読み取れない人がいる可能性が高い、などの問題点がある。
プロット(●や△、◆など)の適切な大きさは、プロットの密度などによって変わるが、この例では小さすぎる。また、ほぼ同大の●と◆で判別しにくい(最初の例では、小さめの●と大きめの△を使っている)。
また、字の大きさ(フォントサイズ)の大小が極端なのも望ましくない。高齢者が小さい字を読むときの苦労は、若年のときには想像できないので、学生は意識的に気をつかった方がよい。
縦軸と横軸はともに100点満点の成績点なので、同様に扱う方が理に適っているが、このグラフでは、縦軸と横軸の目盛が違い、目盛線は横軸のみにあって縦軸にない。
白黒印刷時・色覚個人差・高齢者などを無視した―従ってレポート・論文では望ましくない―グラフの例。棒グラフの場合、棒の輪郭線はある方がよい。表計算ソフトで書いた棒グラフは輪郭線がないことが多いので、後から加える必要がある。
棒グラフにおいては、棒の長さが表現される大小関係を忠実に反映することが原則だ。このため、左のようなグラフは望ましくない(自然科学系のレポート・論文の場合。業界によっては推奨されている?)。右のように中略部を示す記号が入っていれば多少マシではあるが、望ましくないことに変わりはない。
頻度分布を表わす棒グラフをヒストグラムという(棒グラフに含めないこともある)。
2つの頻度分布を比べるとき、左の例のように1つのグラフで表すこともでき、右の例のように2つのグラフを並べて表すこともできる。
頻度分布を表すグラフとして、箱ひげ図もある。表計算ソフトでは箱ひげ図を簡易に描くことができないが、論文やレポートでは比較的よく使われる。
箱ひげ図では、分布が順位に応じて4等分され、左のように配分される。例では扱っていないが、他から大きく離れた値=「外れ値」を独立した点として示すこともある。