スギナ他(トクサ属)
スギナ: ツクシ(生殖茎/胞子茎)と栄養茎
スギナ(ツクシ)ツクシとスギナ。スギナが春先に出す生殖用の茎(生殖茎/胞子茎)が「ツクシ」と呼ばれる。いわゆる「スギナ」は栄養茎と呼ぶ。

スギナ(ツクシ)太い方が伸び始めた生殖茎(ツクシ)、横の細い方は栄養茎(スギナ)

スギナ(ツクシ)
スギナ(ツクシ)伸びたツクシが胞子を出すころ、スギナも伸びてくる

左は群生地

スギナ(ツクシ)
スギナ上: 胞子を出し終えたツクシが萎びて立ち枯れるころ、スギナが枝を伸ばす

左: 枝を伸ばしたスギナ
スギナスギナ
細長い三角形の葉が茎を取り囲むように並ぶ。葉と葉は薄い膜でつながって筒になる。スギナでは、葉と葉の間の膜を貫いて枝が伸びる。
ツクシの先端(胞子嚢穂)と胞子
スギナ(ツクシ)
群生するツクシ。胞子を出す前、出した後とさまざま

スギナ(ツクシ) スギナ(ツクシ)
胞子を出す前のツクシの先端と輪切り。薄緑色のところが胞子が入っている袋(胞子嚢)で、胞子の緑色が透けて見える。胞子嚢は、雨傘(あるいはきのこ)のような構造の傘の陰に、下向きに付いている。

スギナ(ツクシ) スギナ(ツクシ)
胞子を出した後胞子嚢が破れた後のツクシの先端と輪切り。傘状の構造が丸見えになっている。傘の陰に胞子嚢の残片が残っている。

スギナ下の方から先に胞子が出るものもあるし、左の写真のように、上の方から先に出るものもある。

スギナ(ツクシ) スギナ(ツクシ)

胞子。湿っているとき、胞子にはゼンマイのような筋が巻き付いている(写真は水で封入したプレパラート)。乾燥すると、筋の巻き付きがゆるむ。筋は2本で、中央部で胞子の本体とくっついているから、胞子に4本の「腕」があるように見える(写真はイマージョンオイルで封入したプレパラート)。ツクシが熟すると乾燥によって胞子の腕が伸び、胞子どうしが離れる。全体の体積が増加し、胞子嚢が破れて胞子が出て来る。

スギナ(ツクシ)

胞子を出す前のツクシから、緑色の粉(胞子)を取り出してスライドグラスに載せ、光を当てて乾燥を促すと、胞子の腕が伸びて、踊るように動く。

スギナ スギナ胞子を出し終え、すかすかになった先端部はすぐに萎れる

スギナ スギナ
スギナ培地上で胞子から発生した前葉体(大学院生・小澤くんの好意による)
冬のスギナ
スギナ冬(1月中旬)のスギナ。枯れかけた栄養茎は地下茎とつながっており、つけねには春に出る栄養茎の芽が見える(下)。
スギナ
スギナ スギナ
地下茎の先端につく生殖茎(大きい1つ)と栄養茎(小さい2つ)。生殖茎の芽はほぼ生長を終えて、あとは節間が伸びるだけになっている。断面には緑色の胞子が見える。
地下茎の伸長による栄養繁殖
スギナ地下茎が地中を枝分かれしながら伸び、栄養茎を出して広がっていく

スギナ
他の植物との競合が弱いところではびっしりと生える。
茎の断面
スギナ スギナ
地上茎(栄養茎)(左)・地下茎(右)の断面
スギナ
スギナ
スギナ
地上茎の断面
イヌスギナ
イヌスギナスギナと混生している
トクサ(栽培品)
トクサ トクサ トクサ
イヌドクサ
イヌドクサ イヌドクサ イヌドクサ イヌドクサ イヌドクサ
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