タマネギは、短い茎についた葉の葉鞘が何重にも重なったもの(鱗茎)だ。サトイモやショウガと同じように、葉鞘は茎の回りを一周している。茎は非常に短く、食べるところのほとんどは葉鞘で、表面の「皮」と呼ばれる部分も古くなり、薄くなった葉鞘だ。
ニンニクは、タマネギと同じで、茎を葉鞘が何重にも取り巻いて厚くなったもの(鱗茎)だ。タマネギでは、重なり合った葉鞘が食べるところだが、ニンニクでは、葉鞘についた腋芽が成長して「子ニンニク」になったところで収穫され、子ニンニクが食用となる。写真のニンニクは葉鞘がみずみずしい状態で売られていたが、乾いて薄膜になっていることの方が多い。
重なり合った葉鞘のうち、腋芽(子ニンニク)がつくのは内側の(ふつう)2枚。写真は、内側から2枚目の葉鞘をはがしたところ。露出した7個の子ニンニクは、はがした葉鞘の葉芽(ショウガと違い、ニンニクでは1つの葉の葉腋にたくさんの芽ができる)。残ったもう一枚葉鞘はさらに子ニンニク群を包んでいる。
上の写真で見えていた子ニンニクを取り去り、最後の葉鞘をはがすと、茎と5個の子ニンニクが見える。
全部の子ニンニクを取り去ると、子ニンニクの痕が残る。第一グループの子ニンニク(外側の葉鞘に対応する)と第二グループの子ニンニク(内側の葉鞘に対応する)は、痕の並び方で判別できる。