ウマノスズクサ(ウマノスズクサ科)の花は雌性先熟で、糞や腐肉に似た匂いで小型のハエをおびき寄せ、花筒の奥の球形の部屋へと誘導する。部屋には柱頭があり、ハエは後戻りができずに、そこに閉じ込められる。その後、雄しべが花粉を出すと、部屋から脱出できるようになり、花粉を付けたハエは花から出ていく。





花の縦断面と内部。みずみずしい柱頭は横に広がり、雄しべはその裏側に隠れて下方に面している。葯は黄色でまだ花粉を出していない。花筒の奥には毛が斜めに生え、一方通行しか出来ないようになっているため、部屋に達したハエは後戻りできない。撮影に使用した花には2~4匹のハエが入っていた。


花の縦断面と内部。柱頭は濃紫褐色に変色して起きあがり、雄しべも横を向くようになる。葯は褐色になり、黄色い花粉を出している。花筒の奥の毛は萎縮して部屋の中のハエが出られるようになっている。撮影に使用した花にもハエはいなかった。
果実。熟して乾くと上の方が6つに裂ける。中には平たい種子が積み重なるように詰まっている。



