ウマノスズクサ(ウマノスズクサ科)の花は雌性先熟で、糞や腐肉に似た匂いで小型のハエをおびき寄せ、花筒の奥の球形の部屋へと誘導する。部屋には柱頭があり、ハエは後戻りができずに、そこに閉じ込められる。その後、雄しべが花粉を出すと、部屋から脱出できるようになり、花粉を付けたハエは花から出ていく。
ウマノスズクサ属の多くは騙し送粉をするが、中には、産卵場となるものや、交尾場となるものもある[Sakai S 2002 Aristolochia spp. (Aristolochiaceae) pollinated by flies breeding on decomposing flowers in Panama. American Journal of Botany 89:527-534. (
Abstract]