スギ(スギ科)
マツ・スギ・ヒノキの仲間(球果類[conifer])の胞子葉の集まりは"cone"といい、ここでは「錐」と直訳している。錐には雌雄があるので、小胞子葉が集まった錐を花粉錐[pollen cone]/雄錐[male cone]/小胞子錐と呼び、大胞子葉が集まった錐を種子錐[seed cone]/雌錐[female cone]/大胞子錐と呼ぶ。
"cone"を「球果」と訳す方が一般的で、また、送受粉時の"cone"だけ「球花」と区別することもある。さらに、花粉錐を「雄花」、種子錐を「雌花」と呼ぶこともある。
スギの植林地
ヒノキと比べると、谷筋に植えられる傾向が強い
送受粉期(二月下旬)のスギ。真ん中の深緑の木はヒノキ。
シュート
樹幹
枝の切り口から染み出す樹脂
花粉錐と送粉
枝先に花粉錐がびっしりとついている
花粉を出す前の花粉錐。花粉錐は枝先の葉腋につく。鱗片が密着している。鱗片を取ると花粉袋が見える。
鱗片がゆるみ、花粉が出る状態となる。
風で枝が揺れるたびに、煙のように大量の花粉が飛び散る(写真は枝を手でゆすって撮ったもの)。
上: 花粉を出し終えた花粉錐の断面
左: 花粉粒
前年秋の花粉錐
種子錐と種子
枝先の小さい灰色がかったふくらみが今年受粉する新しい種子錐、下の方の大きな緑色のクリのイガのような塊は去年受粉した二年目の種子錐(スギボックリ)。
花粉錐がつく枝と種子錐がつく枝は、完全ではないけれど分かれていて、種子錐のつく枝の方が上に位置していることが多い。自家受粉を減らすためには合理的だ。
花粉錐と種子錐が同じ枝につくこともあるが、比較的まれ。
受粉期の種子錐
種子錐と胚珠の断面
受粉から1ヶ月くらいたった種子錐。鱗片葉が密着して、胚珠に通じるすきまが閉じる。
受粉から1ヶ月半くらいたった種子錐
受粉1年半後(9月)の種子錐。傍らでは翌春の花粉錐ができている
二年たった種子錐。鱗片の合わせ目が開いている。
断面に種子が見える
片側の鱗片をはぎ取ったところ
三年目の種子錐。種子は散布済みで空っぽ。
種子
材
樹幹の断面。およそ40の年輪があり、外側の白っぽい辺材と中心側の赤っぽい心材が判別できる
古い切株。辺材は腐朽が進んでおり、ヒメカバイロタケが生えている。
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