晩秋の海岸では、さまざまなノギクが、生命力を誇示するように群れ咲いている。






開花前の頭状花序。毛に覆われた総苞がきれい。







北部九州の海岸ではしばしばダルマギクと混生している。海沿いの歩道沿いや砂浜などにもあり、ダルマギクよりも生育場所の好みが広いが、混生しているところでは、ダルマギクのすきまを埋めるように生えていて、はっきりとした立地の差は見られない。ダルマギクが短期間に一斉に咲くのに対し、ハマベノギクは次から次へと新しい花をつける。夏から咲きはじめ、晩秋にはダルマギクと咲き競い、ダルマギクの花期が終わっても残り花が見られる。


近縁のヤマジノギクと同様、果期の頭花は整った姿と赤みを帯びた冠毛が美しい。完熟すると冠毛は薄い灰色になる。ヤマジノギクやハマベノギクでは、舌状花の冠毛は筒状花よりずっと短いのがふつうだが、筑前大島では、はっきり分かるような違いがない個体も見られる。



対馬のハマベノギク。舌状花の冠毛は白くて短い。



根出葉






