ツクシとスギナ。スギナが春先に出す生殖用の茎(生殖茎/胞子茎)が「ツクシ」と呼ばれる。いわゆる「スギナ」は栄養茎と呼ぶ。
太い方が伸び始めた生殖茎(ツクシ)、横の細い方は栄養茎(スギナ)
伸びたツクシが胞子を出すころ、スギナも伸びてくる
上: 胞子を出し終えたツクシが萎びて立ち枯れるころ、スギナが枝を伸ばす




下の方から先に胞子が出るものもあるし、左の写真のように、上の方から先に出るものもある。
胞子。湿っているとき、胞子にはゼンマイのような筋が巻き付いている(写真は水で封入したプレパラート)。乾燥すると、筋の巻き付きがゆるむ。筋は2本で、中央部で胞子の本体とくっついているから、胞子に4本の「腕」があるように見える(写真はイマージョンオイルで封入したプレパラート)。ツクシが熟すると乾燥によって胞子の腕が伸び、胞子どうしが離れる。全体の体積が増加し、胞子嚢が破れて胞子が出て来る。
胞子を出す前のツクシから、緑色の粉(胞子)を取り出してスライドグラスに載せ、光を当てて乾燥を促すと、胞子の腕が伸びて、踊るように動く。
胞子を出し終え、すかすかになった先端部はすぐに萎れる

培地上で胞子から発生した前葉体(大学院生・小澤くんの好意による)
冬(1月中旬)のスギナ。枯れかけた栄養茎は地下茎とつながっており、つけねには春に出る栄養茎の芽が見える(下)。

地下茎が地中を枝分かれしながら伸び、栄養茎を出して広がっていく




スギナと混生している