キケマン属キケマン亜属キケマン節
ツクシキケマン
根際でさかんに分岐し大株となる
沿海地の崖や斜面、法面の裾など、土砂や腐植が溜まりやすい場所を好む
秋の草姿
萼片
キケマン属の柱頭部は特徴的な形状をしており、種間の違いも大きい。花粉が付着・発芽する突起部(狭義の柱頭)が扁平な板状部の縁に分布している。
ツクシキケマンの柱頭板状部は凹の字形で左右各4~5つの突起部がある。凹の字のくぼみに当たる部分は細長く陥入している。
突起部に付着・発芽する花粉粒。花粉粒には6つの発芽口がある。
種子の表面の突起は属の中でも最も長くて尖り、表面を覆い尽くしている。エライオソームは膜状で、種子本体を半分包み込むような感じになる。
葉
芽生え
ツクシキケマン(奇形)
葉が対生。花序近くでよく見られる。
花序が幅広くなり、おびただしい数の花がつく「帯化」[fasciation]と呼ばれる奇形。
不完全な分岐によるものと考えられ、先端には複数の茎頂が並ぶ(下)。
ムニンキケマン
ミヤマキケマン
フウロケマン
つぼみ。縁がギザギザの白い小片は萼片。
花。白黒写真は簡易紫外線写真。
左上から閉鎖花・熟した果実・若い果実。
果実の拡大。
種子。いぼのような突起が密生する。
花期の後半になると、仮軸成長の傾向が強くなり、花序が短くなって、しどけない草姿になる。また、未発達のつぼみが直に果実になる「閉鎖花」をつけるようになる。普通花のつぼみとよく似ているが、距が伸びて黄色が濃くなる前に子房がふくらみ始めて花びらを押し広げている。
山里の石垣に群生している(福岡県小石原)。
赤みを帯びた根出葉をつけたまま冬を越す。
越冬した根出葉。
トサカキケマン
北海道と早池峰に分布するエゾキケマンと良く似ていて、外花弁の舷部(先端の広がった部分)の形状が違う以外に明瞭な区別点がない。日本では隠岐でしか見つかっていないが、韓国には広く分布する。
外花弁の舷部(外側の2枚の花弁の先端の広がった部分)が縦に長く、先端が緩やかに細まる。エゾキケマンでは円形に近く、先端が丸いか急にとがる。
萼片
果実
種子。横から見るとやや楕円形で、表面はレンズ状の凸面に覆われている。
エゾキケマン
シマキケマン
隆起石灰岩の崖でよく見かける
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