二次的花粉表出
葯から出た花粉がいったん花被や花柱に付着し、そこから花粉媒介者に渡るしくみを「二次的花粉表出(仮訳)」[secondary pollen presentation])という。
クチナシ・ギョクシンカなど(アカネ科): 花柱に付着
花粉は棍棒形の花柱に付着しており、雄しべはしおれて花冠裂片の間にしなだれかかっている。
開く直前の花。花粉は葯から出て花柱に付着している。
ホタルブクロなど(キキョウ科): 花柱に付着
つぼみの内部。毛が密生した花柱を5つの白い葯が取り囲んでいる。開花が近づくと、葯から出た花粉が花柱の毛にへばりつく。
花の中心部。開花直前・開花初期・開花後期の順。花柱が伸びるにつれて、葯は花粉を出し切ってしおれる。花柱についた花粉が取れたころに、花柱の先端が3つに割れて柱頭が露出する。
ムラサキケマン(ケシ科|ケマンソウ科): 花柱先端部に付着
シバナ(シバナ科): 花被片に付着
雌性先熟で、左下の花は雌性期。右上の花は両性期で、柱頭はやや古くなっている。外輪の雄しべの葯が花粉を出し、花粉は外花被片の上にたまる。茎がゆれるたびに、花粉がさらさらと散っていく。花粉を出し終わった葯は縮んで茶色になる。内花被片は閉じたまま。
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