シャク
花序
セリ科の多年草。地下茎から複数の茎が伸び、花序をつける。
複数回羽状複葉で、小葉も羽状に切れ込む。葉基は茎を抱き込む(葉鞘)。
花序は放射状に枝分かれする。
下から見たところ。何となく5角形に見える。外側の花序ほど柄が長いので、小花序はほぼ1平面状に並ぶ。このような配置を「散形(撒形) さんけい」または「傘形 さんけい」[umbellate]と呼ぶ。
花序の枝(小花序)の1つ。やはり5角形。外側の花ほど柄が長いので、小花序の花はほぼ1平面状に並ぶ。シャクの小花序のような花序を散形花序(撒形花序・傘形花序)[umbel]と呼び、シャクの花序全体のように散形花序が散形に配置した花序を複散形花序[compound umbel]と呼ぶ。セリ科[Apiaceae]は散形花序や複散形花序の種が多数を占め、以前は散形花科[Umbelliferae＝散形花序を持つ]と呼ばれていた。
咲きはじめの小花序。外側の花ほど花びらが大きく、また、小花序の外縁に位置する花びらの方が大きい。
花
咲き始めの花の拡大。5本の雄しべは、5枚の花びらと互い違いにつく。中央の花盤は2つにくびれ、それぞれに細長い柱頭がついている。花盤からは蜜がしみだし、柱頭は花盤にくっつくように倒れている。
雄しべは花粉を出してから脱落し、花柱が立ち上がってわずかに伸長する。雄性期→雌性期と移行する雄性先熟花。左の写真では、下位子房が見える。子房には、花盤のくびれに対応する溝がある。
小花序の中心には、花柱がなく子房もない雄花が多い。
長い口器で花盤を舐めるアブの1種。あとで、クモの餌食になってしまった(下の写真)。
花粉にまみれた身体で花盤を舐めるハエの1種。
果実
果期の草姿
果実は黒く熟し、花序の軸や枝は枯れ上がる
受粉した花の子房は、しだいに黒ずんでいく。縦の溝の両側に種子が1個ずつ入っている。
熟した果実は焦げ茶～黒色で、種子1個が入った部分(分果)が溝のところから外れて散布される。2つとも散布されると、軸だけが残る。
熟した果序を手でなぜると、分果が外れて跳ねるように飛んでいく
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