植物組織の観察(押し潰し法)
一般的な手順
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(前処理)
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(固定)
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(解離)(+染色)
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マウント:スライドグラス上に封入液と試料を載せる(+染色)
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カバーグラスをかける
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(散らし)
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(押し潰し)
タマネギ根の細胞の観察
根端分裂組織で体細胞分裂を観察する方法は、古くからさまざまなプロトコルが工夫されている。以下はその1つ
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根の採取
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前処理: 8-ヒドロキシキノリンまたは純水、15-16℃、3~4時間
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固定+解離+染色: 酢酸オルセイン(45%酢酸、1%オルセイン)を4、1mol/l塩酸を1の混合液、冷蔵庫で12~48時間 (写真: 処理を終えた根)
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根の両端(根端側と基部側)を2~3ミリずつ切り取りマウント
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針先で材料をほぐす。根端の方は、形がなくなるほどぐずぐずになる(わずかに残る繊維質を取り除いておく方がよい)。
- カバーグラスをかけ、上から軽く叩く(散らし)
- カバーグラスの上から親指の先で垂直に押し潰す
根の基部のプレパラート(左)と根端のプレパラート(右)
根の表皮・皮層・維管束
根の基部のプレパラート。細胞は伸長・分化を終えている。
表皮の細胞。隣の細胞とすきまなく並ぶ。核はやや小さめで、濃く染まる。
導管と柔組織
根端の体細胞分裂
根端のプレパラート。伸長・分化前の細胞。分裂中の細胞があちこちに見える。
前期(右は、「前中期」ということもある)
中期(より強く押し潰すと、右のように染色体がばらける)
左: 後期~終期、右: 終期
模式図
(Wikimedia Commonsより; 詳細)
メモ
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DNA 1pg = c.965 × 106bp
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タマネギ(2n = 16)の細胞1個が含むDNAはc.34pg = c.32810 × 106bp = 約320億bp
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染色体1つあたり約20億bp
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DNAの二重らせんに沿った長さ = 約680cm (3.4nm × 20 × 108)
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